このあいだ、送金しないといけないことがあって出掛けてみると、2台しかないATMはすでに人に使われていた。仕方がないから、どちらかのATMが空くまで順番を待っていた。
片方は年配のおばあちゃんで、店員さんに操作の仕方を教えてもらってる。もう片方は、年配まではいかない感じの人。まあ、おばちゃんかな。
そのあと、私の後ろにも男の人が並んだんだけど、おばちゃんの方の用事が終わったから、私が先にATMを利用。
おばあちゃんの用事も終わったようで、話し声が聞こえてくる。ちょっと聞き耳を立てたところでは、お金に関係ない話を店員さんとしてるみたい。隣の人がどうとか、子どもがなんたらとか。
でも、そういう状況でもおばあちゃんはATMの前に立ってるし、店員さんもお話を聞いている。相手がお客さんだからか、年上の人の話はキチンと聞きなさいって言われた世代だからかな。
私の用事が終わりかけたとき、後ろに並んでた男の人が口を開いて言っちゃった。
「済んだんなら、話してないでどいてくれ」
ぶっきらぼうな言い方で、やっぱりちょっと悪意が感じられた。
もう少しでこっちの用事は終わるんだけどな。とか思ったけど、後ろの人は急いでたのかもしれないし、腹の虫の居所が悪かったのかもしれない。
私は急ぎでなかったからムカつくまではいかなかったけど、待ってる人からしたら腹が立つのが当たり前なのかもしれない。
男の声で店員さんも我に返ったのか、そのまま話し続けてるおばあちゃんを諭してATMの前から移動してもらってた。
他の場面でも、老人に対するこういった態度を見ることはあるので、今の日本ではこれが普通なんだろう。
スーパーのレジで会計に時間が掛かってたり、顔見知りの店員さんと話し始めたり。こういうことは老人に限らずよく見る光景で、穏やかな心境でないときにはついイライラしてしまう。
店によっては、急いでいる人用のレーンがあったりするようだけど、あんまり見ることがないからそれほど普及していないんじゃないかな。
こういうのも、電子決済になったら問題解消ってなるんだろうけど、それはそれで素っ気なくて寂しいような気もする。たぶん、ATMで見たおばあちゃんみたいな方は、人に話を聞いてもらいたい状況なのかもしれないんだから。
すべての決済をネットや電子マネーなんかでするようになったら効率的なのはわかるけど、これまで通りに人が関わるサービスも残しておく必要かあるんだな、と思った。
忙しくて待つ時間のない人は、ネットなど専用のサービスを使ってもらって、人と触れ合いたい人には従来型のサービスを。
なんでもかんでも人が要らないようにするんじゃなくて、人がするお仕事を残しておくことにも意義があるんじゃないかなあ、と感じた。