ガタガタガタ、って音がしてる。
連休中なのに近くで舗装工事のようなことをしているらしい。
嫁さん曰く、「楽しそう。男だったら、ああいう仕事する」だって。
「こんな感じかな」って声が聞こえる。さっきから何度も連発しているので、だいたいで良い工事なのかもしれない。
じっとしてると、いろいろどうでも良いことを考える。
ああいうのは私にあんまり向いてないだろうな、とか。
散歩に出掛けてみる。歩いていると考えすぎない。たぶん。
ふと、外国語の文法書は面白いけど、母語の文法書を読んでも楽しくないんだろうなあ、と思い始めた。
これが主語で、それは他動詞か。目的語はこれで…。とかを日本語でやってもねえ。それに、実際やってみるとほとんど正解できないんだから。
なんだろなー、こんなことやってて日本語わかるようになんの? って思うんじゃないだろうか。
しかし、大人になってからの外国語習得には文法が大切だといわれている。
道路から少し離れた道を歩いてると、急に道を走る車の音が静かになったのに気づく。信号が赤になって車が停止したからのようだ。車の通りはなく、交差点が静かになっている。
アイドリングストップやハイブリッド車のおかげだろうか。
信号が青になり、車の走る音がまた聞こえてくる。今の車は走行中のエンジンや排気音が静かになっているから、主に聞こえるのはタイヤの走行音だ。
小型トラックの荷台にアルファベットが書かれている。◯◯GYORUI? なんだろ。ああ、◯◯魚類か。魚などを運んでいる車ってわけだな。
あんなふうにアルファベットにするとすぐに意味がわからないのもあって、なんとなく格好良く感じるのかもしれない。そういえば、海外の紹介をしている番組で◯◯豆腐って車が走ってたな。日本語の書かれたTシャツを着て喜んでる外国人の姿が目に浮かんだ。
日本人だって、日本語で書かれてたら着ないような英文がプリントされている服を着て、何も思わないばかりか良いデザインだと感じたりするくらいだから、よく知らない文字には憧れがあるんだろう。
古本屋に寄ってみると、小学校卒業記念の辞書を見つけた。おそらく中学校を卒業して要らなくなったのだろう、と思いたい。決して、もらってすぐに売ったんじゃないと。
フリマサイトを見ると同じような卒業記念辞書が売られている。古本屋の買取は渋いから、フリマで売ったほうがいくらかの利益はあるだろう。
待てよ? これを買って帰って売れば差額が出るかも、と思い始めた頭を停止させ、帰路につく。
なんだかなあ、あんな小さな辞書くらい家に置いておいてあげてもいいのに。と思うのは紙の本が好きな人の考えることなんだろうな。