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AIという宣伝

宣伝ワード

CMで「AI使ってる」っていうのを聞いたときに、DOHCのステッカーのことを思い出した。

昔のクルマのドアなどに書かれていたアレである。加えて「16VALVE」とか「TURBO」などと書いてあることもあり、当時は誇らしい気がしたように思うのだが、今見るとなんだか恥ずかしくなってしまうから不思議なものだ。パソコンでいう「Intel inside」、「インテル入ってる」みたいな感じだろうか。

私はステッカーやシールを貼るのが好きなたちではないので、そういうものを見かけるとつい剥がしてしまいたくなるのだが、案外しっかりと貼り付けられていてなかなかキレイに剥がせそうにない。やっぱり自慢というか、大きな声で宣伝したい言葉なのだろう。


先ほどのDOHCもそうだが、そういったステッカーのようなものは、その技術が当たり前でないときに大きな効果を持っている。しかし、今のようにDOHCエンジンが珍しくもなんともなくなってしまえば効果はなくなり、そのことを声高々に宣伝するのが逆に恥ずかしくなってくる。今なら「OHV」とか大きく書いてあったほうが目立つかも知れない。


中身には興味がない

同じように、AIもまだまだ珍しいものだからよく取り上げられて宣伝される。よくわからないけど凄そう、というやつだ。たいした性能がなくても、AIという名前をつけたものが搭載されていれば売れる。こういった宣伝の仕方は正直感心しない。それではただの売名行為のように思えるが、内容を詳しく説明されても理解できる人が少ないだろうから、仕方のないことなのだろう。

過去、自動車メーカー各社の衝突安全ボディに付けられた様々な名前を宣伝していることがあった。アルファベットの頭文字を取ってきて、洒落た名前を作ったりしたものだ。その名前自体は変わらないまま技術は進歩しているはずなのに、今ではほとんど自慢をしていない。もう当たり前のことになってしまったからだ。


いずれAIについても搭載されるのが当然になってしまい、AIという言葉を宣伝に使うことはなくなっていくだろう。本当は名前よりも中身がとても大切なのに、商品を購入する人たちはその内容なんてどうでもいいようだ。ただ新しい技術が搭載されたものを所有していたいというだけ。だから、その頃にはまた別の新しい目玉が強調された商品を欲しがっているのだろう。「これからは◯◯だよね」とか言いながら。